少し前に、新聞記事で見かけたある本が気になって、読んでみました。
独学のすすめ
初版はかなり古い本です。
が、内容が現代にも通じるところがあり、今でも出版社を変え、版を重ねて読み継がれています。
Amazonの評価も高いっすね。
4.7だって。
もともとは1970年代に婦人雑誌に連載されたエッセイ。
当時、他の主婦向けの雑誌は、育児やお裁縫、料理といった家庭で役立つ実用ネタが中心。
一方、このエッセイは、趣味やファッション、文化や教養を重視した「ミセス」という雑誌に連載されていました。
1961年創刊の雑誌がいまだ続いてるって、出版不況のこのご時世に、すごいですね。
当時、まだまだ四大卒の女性が少なかった時代。
女性の知識欲は旺盛なのに、いったん家庭に入った主婦が、大学に入り直すなんて、きっとたぶん考えられなかった時代。
その受け皿がなかった時代背景もあるのでしょう。
「学校に入らなければ学問はできない、などという思想は、ついこのあいだ出来たばかりの新興思想にすぎないのであって、人間の知識の歴史のうえでは、『独学』こそが唯一の学問の方法であったのではないか」
家庭に入った女性たちを鼓舞するような文章。
学ぶことは「独学」
これだけネットが便利な世の中。
調べ物も簡単にできるようになっています。
しかしながら、どんなに学習環境が進歩しても、
根っこになるのは一人ひとりの心の中の「やる気」だな、と。
年間数万円かけてね、進研ゼミをやらせてるんですけどね。
チャレンジパッドで勉強しているかと思いきや。
問題をろくに読みもせず、
正解が出るまでランダムに選択肢をタップしていた、
超やる気のない小6長男を見るにつけ、
思うのです(泣けてくるほど実話です)。
一番大事なのは、「学びたい」という気持ち。
本人の学習意欲がなければ、どんな立派な学校に入れて教育を受けさせても、あまり意味はありません。
悲しいことに。
中学、高校と進んでいっても、さしあたっては大学に入るために勉強しているようなところが多く、大学は就職のための通過機関となっていて、学問や勉強を志している人などほとんどいない。
この本が最初に書かれた当時から、状況はあまり変わっていない、いやむしろ悪くなっているのかも、という気さえしてきます。
この本では、勉強の主体は常に一人だと。
学校は学ぶための補助機関にすぎない、とも言っています。
私たちもあきらめてはいけない
先日こちらの記事に、学び直しを決意したことを書きました。
今までも、育休中に資格を取ったりと、それなりに頑張ってきたつもりでした。
下の子が小学生になったこともあり、送迎からも解放され、個人的には子育てにそこまでガチガチに拘束されるピークを過ぎた感がありまして。
ここにきてまたムクムクと、学習意欲みたいなものが頭をもたげてきています。
で、私の決意に対して、同じワーママさんから、
SNSで励ましのメッセージをいくつかいただきました。
わが子の教育に時間と労力とお金をかけ、
将来少しでも明るい未来をこの子に!と願い、
せっせと教育資金を稼ぐ同志の皆さん。
子どものことが第一で、
きっと自分のことは後回しにしてきた皆さん。
もしかして、今これをお読みになっている方の中にも、
「私も新しいこと学びたい」
というアツい気持ちを密かに持っている方が結構いらっしゃるんではないですか?
でも子どもが小さく、仕事にも追われ、時間がない…。
もう一度学生に戻ることなど今は考えられない…。
そんな状況かもしれません。
この本の冒頭では、独学によって人生を切り拓いた人たちが紹介されています。
大人になるまで知識も経験もなかったけれど、意欲をもって没頭した結果、他に類を見ない研究成果を発表した、ある動物学者の例など。
技術的には、時空を超えて「学ぶ」ハードルはどんどん下がっています。
昔は独学と言えば、本を買ったり図書館で借りて読むぐらいしか手段がなかったかもしれません。
もう少し後には、ラジオとかテレビとか。
この本で描かれている独学もそんなイメージ。
なんてったって1970年代なんだから。
しかし今は、通信教育のテキストをスマホで読めたりする。
ネットでいつでも、好きな時に動画を観れたりする。
学校がそばになくても、放送大学などで学位を取ることもできる。
なんなら、海外の大学・大学院を、留学せずに卒業することだって可能。
いい時代になりましたね。
私たちの母親が望んでもなかなか手に入れなかった選択肢を、私たちは、その気になりさえすれば、享受することができます。
始めるのに遅すぎることなんかない
ありきたりのこと言いますが。
どんなに歳をとっても、新しいことを初めるのに遅すぎることはない、と思います。
今さらこんなこと勉強して、
キャリアアップにつながるのか?
意味なんてあるのか?
投資した時間とお金は、無駄にならないないのか?
若い人ならともかく、この年で勉強なんて周りから変な目で見られるのでは?
他人の向上心に水を差したい人は世の中に結構たくさんいるようですけど、
関係ないことに首を突っ込んできたがる外野だけじゃなく、
自分の中からもこういう疑念が湧いてきてしまいがち。
こちらの本は、そんなためらいも、粉砕してくれます。
学校教育がおわると同時に、情報の吸収をぴったりととめてしまう人がすくなくない。(中略)すこし考えてみればわかることだが、学校を卒業したから、それで現代の人間の知っていなければならないすべてがおしまい、といった観念は、むしろ滑稽だ。学ぶべきこと、おぼえるべきことは、無限である。
「生涯学習」といった言葉が、ユネスコで提唱され始めてまだ間もない頃の記述です。
この言葉を、あの時代の主婦たちに向けて説く著者。
ちょっとエモくないすか?
たとえ、学校に通えなくたって、
就職に結びつかなくたって、
意欲があるときに自分でできる独学で、
好きなことを学べばいいんだと。
だって、一生の限られた時間では足りないくらい、学ぶことは無限にあるんだから。
そして、これは最近、自分によく言い聞かせている言葉なのですが、
「今日より若いあなたはいません」。
学び始めるなら、動き出すなら、早い方がいい。
ここまで読んできて、
「本当はもっと勉強したかった」
「私もいつかは」
なんて、ちょっとは思った?
そんなあなたに向けて、最後にもう少しだけ引用させてください。
「母親たちが、ごじぶんの「教育」はもう終わったのだ、とかんがえているとしたら、それは大きな誤りである。「教育」とは、一生つづくものであり、その大部分は「独学」によるものだ、ということを、このさい、かんがえなおしておきたい」
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