うちの長男はなかなかよい夫になりそうなので誰か嫁に来ませんか

気持ちよーく布団にくるまって、暑くもなく寒くもないこの季節の、快適な朝の眠りをむさぼっていたら、「ねぇ、油ってどうやってひくのー？」という早起き長男の声が遠くでします。

「んんー？…あ、油ね、油はそのー、あれだ、フライパンをコンロにだね…」

…え、油？フライパン？

そこで、ばっちり目が覚めました。

「なにやってんの、長男くん」

「いや、ソーセージ焼こうと思って」

なんと！

子育てが始まって10年…。

初めてわが子が（調理して）朝食を作る！

ソーセージを焼くときはよぉ、油じゃなくておめぇ、水入れてよぉ、水がなくなっまでころころ転がすんだよぉ。そうすっとジューシーになっから。

という母の秘密のレシピを教える時がこようとは。

長かったー、遠かったー、ついに来たー

いよいよ長男、家事の戦力となる

母は小躍りしたくなりましたよ。

軽くボックスステップ踏んじゃうよ。

いや、今までもね、

朝のゴミ捨ては小1のころからやってくれてるし、お風呂も次男と1日ずつ交替で洗わないとゲームできなくなるルールだし、大雪の日は一人で家の前の道路の雪かき頑張ってくれてたし。

たぶん、小5にしては十分すぎるほど、親にこき使われてきたわけだけれども。

最近ではお小遣いが歩合制になったもんだから、家事を手伝えば手伝うほどお小遣いが増えるため、何か家事の中で、隙あらば仕事を取ってきてやろう、ガンガン飛び込んでやろう、そんな敏腕営業マンのような気概は、母も感じておりましたけれども。

誰にも言われていないのに！

頼まれたわけでもないのに！

自分で考えて判断して！

朝食を作ろうと思った長男に、

はい、拍手―。

思えば、こちらの長男、本屋で「これ買ってー」と持ってきた本が、カレーをスパイスから作る本格的な料理本だったり。

都立高校の公開講座ではお勉強系の講座より、どちらかというとジャム作ったり、パンをこねたりする食育系の講座の方が好きだったり。

もしかして、素質があるのでは？

もう、あれですか、中学卒業したら、自分で弁当作っちゃう系とか？

コウケンテツさん的な？母の背中を見て料理の道を目指しました的な？

料理研究家になれとまではいいませんが、これからの時代、やっぱり男子もある程度の家事力は、生きていく力として必要なわけで。

そうでもしないと、お嫁さん来てくれなさそうですし。

でないと私、孫抱けないし。

孫抱けないんだったらグレてやるし。

うちは、一人暮らし歴10年で家事スキルが高く、きれい好きな旦那さん（A型）と、実家でなーんにもしてこなかったうえに、多少散らかってても気にならない私（O型）という組み合わせが功を奏し（？）、「男親は仕事、女親は家事」のジェンダーステレオタイプがそもそも成り立っていません。

（はい、胸を張って言うことじゃないのは重々承知しております。よう嫁にもらってくれはったなと感謝です）

家事は母親も父親も当然のようにやるもので、分担は話し合いとか、得意分野とか、仕事の忙しさとかを考慮して割り振るもの。

そして子どもも（小遣いほしかったら）どんどん家事を担うもの。

こういう環境で育ったことが、将来、この子たちが大きくなった時に、きっと役に立つはず、と信じて、母は肉汁たっぷりソーセージの焼き方を伝授します。

うちの長男、いい仕事（家事）すると思うんで。

年頃のお嬢さん、ぜひ。

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