ワーママにも刃を研ぐ時間が必要だ。木こりのジレンマの話

家事

”木こりのジレンマ”という話をご存知でしょうか?

もともとはイソップ童話にあるようですが、ビジネスの場面で、生産性の低下を話題とするときに教訓的に取り上げられることが多い話です。

 

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木こりののこぎり、ボッロボロ

簡単なあらすじはこうです。

使いすぎて刃がボロボロになったのこぎりで一生懸命に木を切ろうとしている木こりがいました。通りすがりの旅人に、「少し休んでのこぎりを研いだら?」とアドバイスされると、「そんな暇はない。木を切らなきゃいけないんだ」と反論し、ひたすらボロボロののこぎりで切り続ける木こりの話。

切ないですね。

哀愁が漂いますね、この木こり。

 

本人はいたってまじめに、目の前の木を切り倒すために一生懸命頑張っているわけですよ。

一歩離れて客観的に(旅人の目線で)見てみれば、もう少しやり方があるのかもしれません。

もっと効率的に目的を達成するためには、ちょっと木を切る手を止めて、腰を下ろして、のこぎりの刃を研ぐという時間が必要なわけです。

そういう根本的な改善をしないと、がんばっているのに成果が出ない、なかなか生産性が上がらない、ということなんですね。

だから、生産性の低下をもたらしている原因を探って、つきとめて、改善する必要性に気づきなさいよ、木こりさん。という、一般的にはそういう話。

この木こりはワーママかもよ

で、この話を聞くと私は、目の前の仕事、家事、育児のタスクをこなすために立ち止まることなく、一生懸命頑張っている、ワーママと重ねてしまうんです。

 

子どもが「ママ、だっこー」と甘えてきても、

「もうママ仕事に行かなくちゃ」と後ろ髪をひかれながらも保育園に預け

(預けはじめは本当に涙涙でこっちも泣きそう)、

満員電車に押し込められて揺られて、

時短をとっているからといってそんなに減らされるわけではない量の仕事をこなし、

お迎えに間に合うように「すみません」と謝りながら職場を後にし、

保育園のお迎え時間にぎりぎりで滑り込み、

そして間に合わなければ延長保育料も払い、

家に着いたら急いで夕食の準備、

ワンオペで上の子の宿題・学校の提出物をチェック、

お風呂に入れて、

けんかの仲裁して、

食器の片づけ、

洗濯乾燥機まわして、

なんとか寝かしつける。

なんなら持ち帰った仕事も、もうひと頑張り、やらなきゃいけない。

もう、毎日いっぱいいっぱい。

 

ただね、木こりと違うのは、ワーママは薄々気づいている、もしくは疑問に思い始めているんです。

このやり方でいいのか?

違うんじゃないのか?

こうまでして働く理由ってなんだっけ?

 

だけど、立ち止まれないからつらいんですよね。

ワーママが帰宅後に手を止めて考え込んでしまったら、おなかをすかせた子どもたちに食べさす夕飯が出てこないわけですし。

 

たとえほんの少しでも刃を研ぐ

それでもね、走り続けていたらどこかで息切れを起こすもので。

体力ゲージか気力ゲージが0になるまでに、やっぱり少し手を止めて、「刃を研ぐ」時間は作らないといけないとも思います。

それは仕事だけにとどまることじゃなくて、家事や育児についても。

 

たいしたことじゃなくてもいいと思うんです。

ちょっとした改善で。

 

たとえばわが家の場合は、下の子が2歳ぐらいまでだったかな。

朝早く起きて家事をやっつけてしまおうと思っても、明け方眠りの浅い子どももつられて起きてきてしまって、うまくいきませんでした。

自分のペースで物事が進まないとイライラしてしまって。

でも冷静になってよく考えたら、上の子はいつの間にか、朝は起こすまでぐっすり寝るようになっていることに気づきました。

明け方、小さい子の眠りが浅いのは仕方ないことだし、もう朝に無理に自分が起きようとするのもやめました。

子どもが夜寝てから、私だけ起きだして残った家事をやるようにしました。

一度眠くなってから起きだすのは面倒ですが、下の子の明け方の眠りが深くなるまでの期間限定の辛さと割り切りました。

 

下の子も5歳になった今は、どんなに起こしても起きません(それはそれで毎朝大変ですが)。

自分さえ早起きできれば、朝はいろんなことがはかどる時間帯に変わりました。

家事も子どもの成長に合わせて、その都度、やり方を少しずつでも見直していく必要があるわけですね。

 

自分の感じる生活のちょっとした不便や不都合、ストレスの種などに関して、こんなことを問いかけてみてはいかがでしょう。

ちょっとやり方を変えてみたほうがいいかな?

今無理してやらなくても大丈夫かな?

これってほかの人に頼めないかな?

こんなに苦労するほど大事なことかな?

他のワーママのやり方を参考にできないかな?

 

立ち止まれなくても隙間時間で研いじゃえ

社会人の勉強方法を説く本に書いてありました。

静かな環境で誰にも邪魔されずにする勉強なら誰でもできる。

でも忙しく働くビジネスマンには、机に向かって、一人きりになって集中して勉強できるような環境を整えるのも難しい。

むしろ「ゆっくり勉強する時間がとれないから」などと言い訳してやらない方に流されてしまいがち。

そうではなくて、どんな隙間時間でも、どんなにまわりがガヤガヤしていても、自分のペースで勉強を続けていけるように図太い神経になることが、成功の鍵だと。

 

ワーママのぎっちぎちのスケジュールの中にもきっと潜んでいるわずかな時間。

電車に揺られる通勤中、

つかの間のランチタイム、

出張中の移動時間、

こないだの休日出勤の代休、

子どもの体調不良で休んだけど子どもが寝ている時、

たまにだったら取れるかもしれない自分のための有給休暇。

 

完全に立ち止まれないとしても、少し歩きながらだったら、ポケットから砥石を取り出して、少しずつ、ボロボロになった刃を整えることは可能かもしれません。

「ゆっくり考える時間がとれないから」と後回しにするよりは若干でも、何かが変わるかも。

 

忙しい日々の中のわずかな時間でも、通りがかりの旅人目線で思い巡らす、のこぎりを研ぐ時間にあてられるといいなー、なんてことを考えています。

 

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プロフィール

都内在住のアラフォーのワーママ。
フルタイムのオフィスワーカーです。
夫と男児2人(中学生と小学生)の4人家族です。

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