共働きの皆さんは、子どもとじっくり話す時間を持てていますか。
わが家が取り入れて試しているのが、定期的な「家族会議」。
下の子が3歳になり、ある程度「話ができる」ようになってきてから、ダイニングテーブルにきちんと家族全員で座って、ほんのつかの間の話し合いの時間を持つようにしています。
子どもとのコミュニケーション、なんだか上手くいかないと感じたら、少し立ち止まってみんなで話してみるのもいいですよ。
わが家の家族会議のやり方と、見えてきた効果をご紹介します。
男の子は自分から話そうとしない
わが家は男の子が2人です。
保育園にお迎えに行くと、女の子のお母さんが先生と話していて、
昨日この子ね、ほんとはお母さんには内緒なんだけど、母の日のプレゼントに保育園でママの絵を描いたって教えてくれちゃったんです(笑)
えー、〇〇ちゃん、ママには内緒って言ったじゃなーい(笑)
なんて会話が聞こえてきます。
ほほえましいエピソードですが、男の子のママは内心こう思っています。
え、うちの子、保育園で何をやったとか、話してくれたことなんか一度もないんですけど…
ま、サプライズを素直に受け取れるのはいいことなのですが、もうちょっと、園や学校の様子を子どもの口から聞きたいママは多いのです。
夕食の時間にそれとなく話題を振ってみても、「別に」「忘れた」「わかんない」と、とにかくぶっきらぼうな男子たち。
母は心配です。
大人になってもろくに聞かれたことしか答えず、何考えてるんだかわからないオトコになって、彼女や奥さんに愛想つかされ三くだり半を突き付けられるようになったらどうしようと。
改まって会議という時間を持つ
平日はなかなか時間が取れないので必然的に休日になりますし、旅行などに出かけてしまうと実施できないこともあるのですが、なるべく定期的に、毎週末にできるのが理想的。
家族会議を開催するときは、それぞれみんな今やっていたことを中断して、ダイニングテーブルに座ります。
4人で顔を突き合わせて、会議のために集まる時間をつくるのです。
会議という改まった場所で、順番に発言していきます。
発言は挙手制にしてもいいかもしれません。
小さい子でも遊びのようにとらえて面白がってくれます。
夕食の席でご飯を食べながら話しかけても、男子の返事はぶっきらぼうで反応が薄いのは、「食べること」に気を取られているからです。
子どもですし男の子とということもあって、おそらく一度にいろんなことを同時並行できないのでしょう。
悪気があってのことではなく、彼らは最後のから揚げを狙うのに忙しく、母の話は右から左へ受け流されてしまうのです。
家族会議の形式は自由
決まった形式はありません。
自由に議題やテーマを設定してみましょう。
会議の時間も自由ですが、最初は何を話せばいいのかわからずに5分ももたないかもしれませんし、小さい子の集中力が続くように設定するのがいいと思います。
慣れてきて話し合いたいことが子どもから出てくるようなら10分、15分と伸ばせるかもしれません。
長ければいいというものでもないので、みんなが大体言いたいことを言い終えた段階でおしまいにします。
さながら会社の会議!家族会議の準備
会議ですから会社の会議室を思い浮かべてください。
ホワイトボードに記録したり、紙にメモを取ったり、ノートPCを持ってきてその場で議事録をつくったりしますよね。
話し合うテーマが事前に決まっているなら、アジェンダが全員に配られるものです。
家族会議でも同じようにしてみましょう。
みんなでアジェンダを見ながら、向き合って話し合うのです。
会議には議事を回してみんなの発言を促す議長、記録を取る書記が必要ですね。
それも役割分担します。
一般的な社会で行われている会議の形式をとることで、「大人はこんな風に話し合い、意思決定をしている」ということを体感してもらうこともできます。
はじめは大人がその役を担いますが、子どもたちも慣れてくるとやりたがるので任せてみましょう。
議事録・発言録の作成は面倒ですが必ず作ってとっておいたほうがいいです。貴重な家族の記録ですからね。
子どもに話してもらうことは3つ
わが家では、特にこれを話そうというテーマがない時でも3つのことを話してもらうことにしています。
- 今週1週間のできごと
- 今の目標やしたいこと
- 心配ごと・相談ごと
全部が言えなくてもいいのです。
この3つの型にはまっていなくても全く問題ありません。
そしてまだ小さい子でしたら、発言がまとまっていないのは当然です。
それでもきちんと発言を聞いてあげてください。
家族会議を始めたばかりの次男(3歳)の発言は以下の通り。
いちごをたくさんたべたい。
あと、りんごと、ぶどうと、みかんとバナナもぜーんぶたべたいの。
立派に意見が言えたことを認めて受け止めてあげましょう。
ひねくれ長男は大人たちが次男の発言にキュンキュンしていることを察知してか、「なんだよ、それ」と言いたそうですが、誰かの発言に対して批判したり怒ったり途中で遮ったりすることは、わが家の家族会議ではルール違反にしています。
自分の意見として「自分の意見は違う、そうは思わない」ということは言ってもいいことにしていますが、個人を攻撃するのは違う、ということを説明します。
家族会議を続けてきて見えてきた効果
長男と次男は5歳の年齢差があります。
長男は長男でいろいろ我慢していることも多いのでしょう。
あまのじゃくな発言が多くなり、素直に甘えたりすることがだんだん減ってきていました。
親も共働きで時間がなく、手がかからないならそれでもいいかと思いがちですが、一方で弟である次男に対して攻撃的な言動も多く、ちょっと心配していました。
いろんな本を読むと、
親が自分を愛しているかどうか確信できないと、自分の存在価値を認められないまま大人になって、心の問題が後々になって出てきてしまう
なんて怖いことも書いてあります。
だからといって長男ももう小学校の高学年ですから、ベタベタとスキンシップを求めてくるわけではありません。
家族会議のいいところは、忙しくても自分と親がちゃんと向き合っていると子どもに感じさせられること。
そして会議の場では批判されることなく、自分の意見を聞いてもらうことができます。
時にはなかなか言い出さなかった、買ってほしいもの、連れて行ってもらいたい場所、親にしてほしいことなどを話してくれるようになりました。
抱きしめられたりするのは照れてしまう年齢になったとしても、「自分を受け止めてもらえる」という経験を持つことで、長男も親に大切にされていることを実感することができるようです。
家族会議だけに限りませんが、特に幼い時には「自分の言ったことが誰かにちゃんと聞いてもらえる」という体験は絶対に必要だと思うのです。
そうでないと「どうせぼくが言っても誰も聞いてくれないんでしょ」とか「私の意見なんて重要じゃないから」という自己否定・卑下につながって、正当な主張ができないまま成長してしまいます。
大人もそうです。
仕事上の悩み、家事分担の不満、日頃の生活の愚痴、本当はもっと時間をかけて取り組みたいこと…。
誰かに聞いてもらう、受け止めてもらえる、という経験があれば、孤独に陥ったり、自分一人で抱え込んだりせずに、精神衛生を健全に保つことができるのです。
聞いて、話して深まる家族の絆
子どもとのコミュニケーションで悩んでいるあなた、子どもにきちんと「聞けて話せる」人になってほしいと願うあなたに家族会議はおすすめです。
大人も子どもも、自分の話を誰かにちゃんと聞いてもらうことで、心が軽くなることもあります。
頭の中ぐちゃぐちゃの毎日でも、ちょっとした時間でできますので、やりやすい形を模索しながら家族会議のやり方をぜひ見つけてみてください。
こうしてみたら、もっと面白い対話ができるといったご意見もいただけると嬉しいです。
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