先日は、7年前のわが家の長男が溶連菌から入院する事態になった件を書きました。
わが家にとっては、普段から子どもの健康状態や感染症の症状を把握しておくことの大切さが身に染みた出来事でした。
園内感染症情報に気づいていますか
通っていた保育園では、園内で感染症が発生すると、「インフルエンザ すみれぐみ 3名」とかの貼り紙を玄関とか目立つところに貼っておいてくれていました。
もう7年も前なので、さすがに覚えていないんですが、もしかしたら、うちの長男が最初に溶連菌にかかったとき(記事の通り気づかなかったからあんな大変なことになっちゃったわけですが)、園内で溶連菌にかかったお子さんが他にもいて、流行っていたかもしれません。
あまり普段気に留めることもなく、貼り紙を見かけても「あらー、流行っているのかー、気をつけなくちゃ」程度だったのですが、よく考えるとこの「園内の感染情報」も、子どもの体に潜伏しているかもしれない病気を知る、大切な手がかりだな、と思うのです。
小児科に行くとよく聞かれませんか?「お子さん保育園ですか?なにか流行ってませんか?」って。
保育士の先生から注意喚起があったり、ママ友からの「うちの子大変だったわー」なんて情報があったり、ちゃんと貼り紙に気を付けてたりすれば答えられるのですが、仕事の都合で送迎をパパに頼んでいたり、忙しく飛び出してきたときなんかは、記憶があいまいだったり。
でも子どもの健康のため、迅速で正確な治療をすぐに受けられるようにするため、親として、今何の病気が流行っているのかは、情報を知っておきたいものです。
感染症の情報を知る方法
地域の保育園や学校での感染症の流行状況を簡単に知る方法があります。
それがこちら。
学校等欠席者・感染症情報システムの特色
このシステムは、感染症で欠席する児童生徒等の発生状況をリアルタイムに把握して、学校(保育園)、教育委員会(保育課)、保健所、学校医等と情報を共有することができます。
実は、日本全国の学校や保育園の保健の先生とか園長先生とか事務員さんとかが、今日の欠席者は何人、そのうち病名が判明していたらその人数が何人、という情報を登録してくれているんですよ、毎日。
それが集約されて一般に公開されているんですって。
全国地図が載っていますが、地図をクリックすると都道府県ごとの地図になり、市区町村ごとのレベルまで見ることができます。
地図の上の症状(発熱、頭痛など)を切り替えると、地図の色が変わります。
親が診断を受けて、それをちゃんと学校や保育園等に連絡していれば、病名も特定して人数を入力できることになります。
これでたとえば、インフルエンザとか感染性胃腸炎とかの「出席停止・疾患の登録」情報を見ると、流行期に差し掛かったころ、じわじわと、黄色からオレンジ、赤色へと変わっていくところが見れます。
操作してみると、もうちょっと、ユーザーインターフェースなんとかならんもんかと思いますけど、お役所主導なんでしょうがないか。
学校等欠席者・感染症情報システムの問題は
有益な情報を提供してくれるシステムなのですが、いくつか問題もあるように思います。
登録していない都道府県、学校、幼稚園、保育園がある
残念ながら、地図上で非公開になっている自治体にお住まいの方は、この情報を活用することができません。
非公開がどういった理由で、誰の判断なのかわかりませんが、日本全国のデータが集まることを期待します。
また、日々の欠席者の情報を登録してくれる学校や保育園などが増えれば増えるほど、この情報の精度は上がっていきますよね。
保護者にとっても有益な情報になります。
ところが、導入状況はいまひとつ。
現在、全国の学校の約6割、保育園の約4割に導入されています。
うーん。もうちょっとがんばってほしい。
ただでさえ忙しい先生たちの事務仕事を増やしたくないんですが、せっかくこういうシステムがあるんだから、ぜひ入力する施設が増えてほしいところです。
せいぜい学年の欠席者数のデータを集めてきて入力するだけの簡単な仕事ですから。
学校導入率80%以上の都道府県24、保育園導入率80%以上の都道府県11だそうです。
もっと増えるといいですね。
あなたのお子さんの通っている保育園や学校は導入しているでしょうか。
一度保健の先生などに質問してみるのもいいかもしれません。
ちゃんと症状が保護者から園に伝わっていない
保育園に入る前にも説明があったと思うのですが、受診してそれがほかのお子さんにもうつる可能性のある感染症だったときは、保育園に必ず連絡しましょうね。
わが家も具合が悪く保育園を休んだ場合、感染症の受診結果が出たら、翌日の「今日は休みます」の連絡の時まで待たず、なるべく早く保育園に一報を入れるようにしています。
そうすることで、ちゃんと情報共有している園なら、保護者への注意喚起がその日のうちに開始されます。
休む時も、ただ「具合が悪いので休みます」ではなく、診断名がわかるならそれを伝え、診断がよくわからない場合や未受診の場合でも、熱が何度ぐらいあるのか、頭が痛いのかおなかが痛いのか、嘔吐・下痢や発疹なども見られるのかなど、症状の詳細も伝えるようにしましょう。
正確な情報が園に伝わらないと、園も「なんとなくお休みのお子さんが多い」ぐらいしか把握できず、他の保護者への具体的な注意喚起につながりません。
どんな症状が出ているかがわからないと、導入している施設でもこういった情報共有システムもうまく活用されないので、受診されたらなるべく詳細な症状を、正直に、迅速に報告するようにしてくださいね。
表示される感染症の分類がおおざっぱすぎる
地図の上をよく見ると、症状とは別に、「出席停止・疾患の登録(インフルエンザ)」とか「出席停止・疾患の登録(感染性胃腸炎)」とか「インフル・感染性胃腸炎以外」とあります。
分かりづらいですが、感染症と診断されたことが園や学校に伝わった場合はここに登録されます。
感染性胃腸炎とインフルエンザは確かに怖いですが、他の感染症も侮れません。
施設側ではもっと細かく病名ごとに登録しているはずなので、公開情報もインフル・感染性胃腸炎以外をいっしょくたにするのではなく、病名ごとにデータが見られるようにしてほしいところです。
保護者に知られていない
結局は自分の子どもがかかる病気は、お医者さんを受診するまではっきりとはわからないものです。
ただ、周辺でこの病気が流行っているらしい、なんだかじわじわと休んでいる子が増えてるらしい、といった予備知識があれば、受診するしないの判断にも役に立ちますよね。
こうした有益な情報があるにもかかわらず、このシステムの存在が保護者の間でもあまり知られていないのは残念なことです。
すべては子どもの健康を守るためです。
うちの保育園はちゃんと毎日入力してます!という園は胸張って保護者にも教えてほしいですね。
いま、競争が働いてないんであれなんですが、待機児童とか解決したら、保育の質はもちろん、こういうこまめな情報提供をきちんとしてくれる保育園の方をなるべく選びたくなりますよね。
まとめ
まだまだ課題の多い学校等欠席者・感染症情報システムですが、導入する施設が増え、毎日の欠席者データがきちんと反映されて公開されるようになれば、保護者が早めの受診を判断したり、感染症が蔓延するのを防ぐことにもつながります。
集団生活で感染症のうつし・うつされはお互い様ではありますが、流行っている病気の中には、重大な症状で入院することにつながる感染症も含まれているわけで、保護者が感染症の流行情報を「知っている」ということは、子どもを守ることになると思います。
こうした情報はみんなで協力し合って共有していきたいですね。
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