あ、私がじゃないですよ。
言われて困っているのは。
子どもが生まれてから、無意識に何度も言ってしまう言葉があります。
それが「どうしてそんなにかわいいの?」。
何度でも言わせてください
赤ちゃんは古今東西、かわいさにおいて「無敵」と相場が決まっておりますが。
ぷにゅぷにゅしたほっぺとか。
クリームパンみたいなお手てとか。
輪ゴムでもはまってんのかと思うような手首とか。
ああ、もう一回言ってもいいですか。
赤ちゃんって、どうしてあんなにかわいいのでしょうね?
新生児期、長男のときは寝不足で少しメンタルやられかけましたが。
次男のときなんか、泣き叫ぶ顔でさえかわいい。
「やだー、一生懸命泣いてるー。かーわーいーいー」
2人目の余裕。
今でも、リビングに飾ってある赤ちゃん期の写真に対してまで言ってしまいますもん。
「かわいいねぇ」って。
言葉を話し始めたころもまた、よろし。
初めて「まま」と呼んでくれたときは、もう人生のピークだったといっても過言ではない。
言葉ともとれない謎の音を発していたかと思いきや、突然意味を持った言葉で何かを伝えたがっている…。
たどたどしい発音や言い間違えですら愛おしい。
言葉を覚えた子どもとのコミュニケーションも、すごく楽しい。
ああ、もう一回言ってもいいですか。
子どもって、どうしてあんなにかわいいのでしょうね?
だんだんいろんなことができるようになってきて、自立してくるころ。
今でもたまに言ってしまいます。
小学生なのに。
寝ている顔とか、起き抜けのぼーっとしている顔とか。
ひらがなの練習のプリントを、
「ママの隣でやりたい」
と言って横でちょこんと座ってきたり。
「ねぇ、ぼくが世界で一番好きなの誰か知ってる?」
という、なんだその、答えはひとつしかないじゃないか萌え死んでやろうかというクイズを出して来たり。
ああ、しつこいようですが、もう一回言っていい?
子どもってどうしてあんなにかわいいのでしょうね?
何て返すのが正解?
ついつい言ってしまう。
「どうしてそんなにかわいいの」。
でもこれを言うとね。
本人は何て返したらいいか戸惑うみたいで。
ただの愛情表現と受け取ればいいだけの話ですが。
うれしそうにしてはいますが、「どうして、なぜ」と理由を聞かれたら、答えなければいけないプレッシャーがかかります。
Whyと言われたらBecauseだからです。
息子は照れながら「えー、わかんないよぉ」と答えています。
そりゃそうだわな。
そういうしかないわな。
親に言わされていた言葉
「どうしてそんなにかわいいの」は私自身も親から相当言われてきた言葉のようです。
うっすらですが、幼少期の記憶に残っています。
思い返すと、兄や私がかなり小さい時は、父親もそんなに怒ることがなかった気がします。
厳しく叱られるようになったのは、私が幼稚園に上がったぐらいから。
おそらくそのころからギャーギャーと兄弟げんかが増えたせい。
それよりも前は、父親も私に対して猫かわいがりして、
「どうしてそんなにかわいいの?」
と聞いてきました。
そして、次の言葉を返答として要求してきました。
「だって、パパの子だから」。
それを聞くと父親は機嫌よく、
「そうか、そうか」
とニコニコしていたので、一定の年齢までは私もパブロフの犬のように条件反射で返していたのです。
え?
気持ち悪い?
そう、まさにそれ。
その父親の気持ち悪さに、私も4歳ぐらいで気づくことになります。
何もわからない(ように見える)子どもに、自分の言わせたい言葉を言わせて悦に入っている大人を白けた気持ちで見ていた4歳の女児です。
そのころから私は、父親からの「どうしてそんなにかわいいの」の返答を拒否するようになります。
黙秘です。
ほら。
女には、バカな男の言動に一気に冷める瞬間があるでしょう?
急速に心が凍っていく雪の女王的な瞬間が。
私の人生最初の瞬間がこれでした。
模範解答は
わが子には、回答を強制するような愚かな真似をして嫌われたくない。
でも私は「どうしてそんなにかわいいの」と口にするのを止めることができない。
そして、何て答えていいの?と戸惑う息子もかわいそうだ。
どうすりゃいい?
本来、「どうしてそんなにかわいいの」に子どもの側から答えてやる義理などないのですが。
だってこれ、感嘆文であって疑問文じゃないからね、そもそも。
それでもまだ、答えてやるとするならば、ですよ。
この答えは、「あんたが親バカだから」以外の何物でもないのです。
では、私の気持ちを代弁している大泉逸郎さんに歌っていただきましょう。
どうぞー。
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コメント
確かに、子どもってかわいいですよねぇ。
すごく共感してしまい、コメントさせていただきました!
うちの娘は小3ですが、小柄なのでまだまだ抱っこできます。
そして一人娘ということもあり、もう食べてしまいたいほどかわいいです!
私自身は3姉妹の長女として育ち、物心ついた時には下に小さな妹がいて、かわいいと言われた記憶も、抱っこされた記憶もないんです。
だから愛情を言葉にして伝えて、思春期頃に「うちの親は私のことを好き過ぎて、本当にうっとおしいんやけど…」と言わせたいです!
つむぎさんのお子さん、幸せですね
さつこさん、コメントありがとうございます!
共感していただけてうれしいです。
一人娘さん、かわいいでしょうねー。
おっしゃる通り、愛情を言葉にすること、とっても大事だと思います。
さつこさんの親御さんもきっと愛情は持っていらしたのでしょうけど、子ども目線からするとやっぱりわかりやすく伝えてもらうことで安心しますものね。
もう、お子さんには、うんざりされるぐらい、どんどん言っていきましょう!
腰に気を付けつつ、抱っこもしていきましょう!
あふれるぐらい、ドバドバ注いでいきましょう!