子どもが全然パッとしなくても、あきらめないぞ

子育て

先日、小学校の同窓会に参加してきました。

20年以上会っていなかった友だちや先生と再会して、とても楽しい時間を過ごすことができました。

が、それと同時に、さまざまな人間模様が垣間見え、考えさせられる場でもありました。

 

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クラスで一番人気のあったスポーツ万能男子、Tくん

足が速い子が天下をとる、のご多分に漏れず。

私たちのクラスでも、運動神経に非常に優れた男子がいました。

Tくんです。

5,6年生のクラスで彼はカリスマ的な人気者のガキ大将。

男子たちのほとんどが彼の取り巻きとなり、Tくんが右と言えばみんな右を向く。

女子たちはTくんに憧れ、移動教室の布団の中の「クラスの中で誰が好き?」の定番ガールズトークでも彼はぶっちぎりの得票数。

それはまさに、不動のセンター

 

そんな彼がどんな大人になったのか、会うのをひそかに楽しみにしていたのですが、

実際に目の前でしゃべってみると、あれ?なんだか印象が違う。

あのころの、自信に満ち溢れていたTくんのきらきらしたオーラがない。

その原因は、なんだか卑屈になってしまった彼の態度にありました。

 

すでにお酒が何杯か入っていたとはいえ、Tくんは、思い出話もそこそこに、みんなが今、何の仕事をしているかを聞いて回っていたのです。

そして、公務員になったという同級生をつかまえて、「お前はいいよな、勝ち組かよ」と、なんともみっともない絡み方をしていました。

 

聞くと、Tくんが働いているのは待遇があまりよくないという厳しい業界。

彼も日々の仕事や自身の収入に対して不平不満がたまっていたのでしょう。

ハゲたわけでも、太ったわけでもないのに、久しぶりに会ったらガッカリな、かつてのクラスのスターがそこにいました。

クラスで一番大柄だった女の子、Sちゃん

体格が大きかったSちゃん。

まぁ、意地悪な男子からつけられますよね、あだ名。

決して呼ばれてうれしいような、素敵なあだ名にはなりませんよね。

そんなこともあって、おそらくですけど、彼女にとって、あのころの学校は楽しい場所ではなかったと思います。

 

彼女は控えめな、おとなしい性格でした。

勉強もスポーツも、あまり得意ではありませんでした。

少し傷つきやすい性格で、「そんなことで泣くの?」というようなことでよく泣いていました。

同窓会にも来ないんじゃないかと思っていたんですけど、ちゃんと来ていました。

テーブルの端の方に、当時の面影はあるものの、だいぶスリムになって座っていました。

 

話してみると、今は小学校の先生をしているとのこと。

ちょうど彼女が受け持っていた学年と、長男の学年が同じだったので、子育ての悩みを相談しちゃいました。

親身に聞いてくれて、プロ視点のコメントやアドバイスもくれて、「いい先生だなー」と素直に思いました。

 

「私自身、勉強が苦手だったから、わからない子の気持ちがわかるの」という彼女。

きっと授業についていけない子を見捨てず、わかるまで辛抱強く寄り添ってあげる先生なのでしょう。

きっと、周りから変なあだ名をつけられて傷ついている子がいたら、見て見ぬふりなどしないと思います。

子どもが大好きと語る彼女は、天職を見つけたんだなぁと感じました。

そんなやついたっけ?のオタク男子Kくん

名前を聞いてすぐには思い出せなかったぐらい、目立たなかったKくんの話です。

その同窓会には本人は来ていませんでした。

 

私も、みんなの話を聞いてしばらくたってから思い出してきたのですが。

教室の隅っこで、2,3人の大人しい男の子たちが、好きなゲームやアニメの話で静かーに盛り上がっていたような…。

その中にKくんという子もいたような…。

前述のスポーツ男子とその取り巻きとは対極にあるグループでした。

 

クラスの中でも目立たず、あまり印象に残らなかったKくんが。

私があまりそっち方面に詳しくないので知らなかったのですが

何年か前からある分野で功績を残しているらしく、有名な賞を受賞したりと、目覚ましい活躍をしているそうで。

お名前をググったら、確かにKくんが、才能ある若手として成功している様子が紹介されていました。

 

総じて同級生の感想としては、「まさか、あのKくんがねー」というもの。

成功している同級生がうらやましいとか妬ましいとかではなく、ただただ意外だった。

そんな大穴がくるとは思わなかった、と。

プロでも見抜けない才能の芽がある

同窓会に来ていたほろ酔いの担任の先生に、聞いてみました。

Kくんが大化けする予感が、当時からあったのか。

「正直、まったくそんな気配はなかったから、ビックリしている」と言っていました。

 

何百人という子どもたちを毎日のように見てきた先生。

その担任の先生にも、見抜けなかった才能が今、花開いているわけです。

 

そのあと「俺もさー、本当は学校の先生じゃなくてさー、小説を書きたかったんだよ」とクダを巻き始めた元担任(現、副校長)。

私はそれに適当に相槌を打ちつつ、梅酒ロックを片手に、

人生って分からないものだなーと物思いにふけっていました。

 

たくさんの子どもを見てきた先生にもわからないなら、無理じゃない?

1人や2人や3人育てたぐらいの母親は、何にその子が向いているのか、どんな分野で才能を伸ばしていけるかなんて知る由もありません。

うちの子だって、もしかすると、ねぇ。

学生の時のポジションやスクールカーストは、一生モノではありません。

もちろんそのままグイグイ行く人もいるんでしょうけど。

何かのきっかけがあったり、好きなものを極めていったら、

たとえクラスの中で目立たない地味な子でも、

大人になってからの大逆転がある。

逆もしかり。

 

長男には、家族としてはスポーツが得意な人気者になってほしいなと思っていた時期もあったのですが、考えを改めました。

無理にスポーツマンで活発にとか、勉強で1番にならなくてもいいから、好きなことを得意なことにして生きていってくれたらいい、と。

小学生のクラスや学校内での評判なんて一時的なこと。

人気者だった、それだけで一生食っていける人はいません。

大人になっていく過程で、これが大好きだから極めたいと思える道に巡り合い、その目標に向かってこつこつと努力していくことができれば、それでいいのです。

親としてできることは、どこかに必ずこの子の才能を活かせるフィールドがあると信じて、

好きなことを応援してあげる、ただそれだけ。

どこに才能の芽が眠ってるかなんて、誰にもわからないんですから。

 

でも本人にそう言うと、「大好きだからゲームを極める」って言い出すので、わが家は結局揉めるわけですが。

 

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プロフィール

都内在住のアラフォーのワーママ。
フルタイムのオフィスワーカーです。
夫と男児2人(中学生と小学生)の4人家族です。

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