あ、どうも、つむぎです。
ふとしたきっかけで手に取った本が、とても面白かったので、シェアせずにいられない。
女性と求人情報
仕事で人の採用にかかわることもあるため、私にとっては身近な求人情報。
それに加えて、自分自身もたまに求人情報を漁ったりします。
すぐに職探ししなければならない状態でなくても。
もはや趣味。
普段何気なく接している求人情報ですが、実は、年代を追ってみるとすごく面白い。
こちらの本には江戸時代からさかのぼって、女性の求人情報の変遷が紹介されています。
掲載されている職種やその待遇、ターゲットに訴えかけるキャッチコピーなどから、「時代」の空気感を肌で感じられる貴重な資料になっています。
働く女性の歩んできた道
当たり前だけど、働く女性は昔からいたわけで。
江戸時代の資料として残っているのは、町人の姿を生き生きと描いた浮世絵。
かなり興味深いです。
城や武家屋敷で働く女中さんや、物売りの女性たち。
ああ、みんな働きウーマンだわ。
お疲れーって言ってあげたいわ。
もちろん、吉原などの遊女や花魁の姿も。
職業選択の自由なんてない時代。
売られてきた子も多かったろうに。
明治時代になって、日刊新聞に求人広告が掲載されるようになります。
そこで初めて掲載された「乳母」の求人広告。
「乳母を雇入れたいので心あたりの者は(中略)御尋ねください。乳さえよろしいならば給金は、他のところより高く差し上げます」だって。
「乳さえよろしい」とは(笑)
私、出産後は母乳の出が良すぎて赤ちゃんがむせかえるほどだったから、あの時代に生きていたら応募して荒稼ぎしたかもしれない、などと想像してみたり。
でも乳首が大変なことになりそうだ。
大正時代からいわゆる「職業婦人」が登場してきます。
そして求められる人物像として堂々と書いてある、人の見た目に関するワード。
「醜婦でない」とか「艶麗」とか。
昭和に入っても美容部員などの求人には「容姿端麗」とあります。
今の私たちなら「いやいや、アウトやがな」と思いますが。
当時はこういうことに違和感がなかったのでしょうね。
戦争に突入していく時代の求人広告は、戦地にとられて男手が不足していたんでしょう。
それまで男性の仕事だったところに女性が進出していった様子が読み取れます。
かっこいい。
それから中には「満洲で働きませんか?」というものも。
この求人に応募して海を渡り、戦後苦労した方たちのことを考えずにいられない。
戦後、そして高度成長期に入ると、記者などの知的な仕事も増えて行く一方で、まだ女性は「職場の花」という扱いが多い。
年齢も「22歳位迄の方」。
結婚前の若い女性に職場を盛り立ててほしいらしい。
「女性を花に例えるなんて失礼かもしれませんが」とその広告にも書いてあるんですよ。
失礼と思うなら書くんじゃねぇよ、おっさんが。
気持ち悪い。
このころの女性もフラストレーションが半端なかっただろうな。
1986年の男女雇用機会均等法施行によって、現在のような求人広告につながっていくわけですね。
長い歴史だ。
戦いは終わっていない
100年以上前から、私たちの母や祖母、先輩である女性たちが一歩一歩、仕事の幅と活躍の機会を広げてきた歩みがわかり、非常にエモい1冊です。
彼女たちが必死に働き、生きてきた歴史が凝縮されているようで。
女性の地位向上、職業選択の自由というのは、時代を経ながら少しずつ少しずつ獲得されてきたものなんだなと。
男女雇用機会均等法の法律は当初「男性のみ」という表記を禁止しようとしたら激しい反対にあい、成立そのものがポシャる可能性もあったんだとか。
そこで、はじめは努力義務として法律にのせて期が熟すのを待ち、その後禁止条文にした、という事実もこの本で初めて知りました。
そんな苦労をしないとチャンスが平等にもらえる社会は、実現できない訳ですよ。
ありがとうね、先輩たち。
で、この女性たちが少しずつ限界を押し広げてきた歴史は、まだ終わらないんだということも。
女性活躍推進法が2016年に施行されましたけど、労働条件がよくなった実感あります?
男女の賃金格差の是正も、採用時・配属時の男女平等もまだ達成されたとは言えないですよね?
いまだに求人では何かと理由をつけて年齢制限しているし、女性は面接で子どもの有無を聞かれたりする。
本当に「自分らしさ」とか「自分の価値観にあった」仕事を、属性やジェンダーに縛られず自由に公平に選択できる時代はこれから、私たちや後輩たちと実現させていかなくちゃいけない。
読んでいて、久々に鼻息が荒くなる1冊でした。
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