私の勤める職場に50代の女性の事務員さんがいます。
社内ではちょっとした有名人です。
強いこだわり
よくわからない強いこだわりがあると、周りの人間は「ん?」と思いますよね。
彼女にも、彼女しかわからない強いこだわりがあります。
たとえば、ランチにも、飲み会にも、自分が部署異動してきた時の歓迎会にすら、絶対に参加しません。
お誘いはするのですが、「私、そういうの苦手なので…」と。
あと、間食を絶対にしません。
会社でよく、お得意様からいただたいたお菓子や休暇・出張から戻った社員のお土産が回ってきますけど。
「いえ、結構です」と。
それから、麺類を絶対に口にしない、とか。
(理由を聞いたら「麺が怖いから」だそうです。…麺の何が?)
とまぁ、そんなのは、個人の自由ですし、ちょっと健康に気を遣っている人にもありがちだし、好きにしたらいいと思うんですね。
仕事でも、彼女は一度気になったものをひたすら調べたり、どうでもいい些末なことにずーっとこだわったりする傾向があります。
真面目で、細かく、精緻なのは大変結構なことですが。
彼女が何かに引っかかると、そこで仕事がストップしてしまう。
そして細かく質問したりして、周りの仕事もストップさせてしまうことで、社内で有名。
びっくりしたけど妙に納得
先月の猛暑が続いていたときのこと。
ある男性社員が出先から戻ったのですが、熱中症のような感じになってしまいました。
フラフラしながらやっと自席についたものの、机に突っ伏してしんどそう。
上司が心配して、その事務員さんに
「ちょっと下のコンビニに行って飲み物買ってきてやって」と
お金を渡しました。
そこで彼女が一言。
「わかりました。で、何を買ってくればいいんですか」
一瞬その場の全員、凍りつきました。
でも、なんか、納得しちゃったんですよ。
ああ、そうか、わからないのか、と。
この周りの状況を見て、熱中症という文脈から考えて、どんな種類の飲み物を買ってきたら、彼の体調回復に寄与するのか、その最適解をとっさに判断することが、彼女にはできないわけです。
50代までよく社会人やってこれたな、と感心するのですが、こういうちょっとコミュニケーションの取り方が独特な方は結構いらっしゃるようですね。
学生時代の友だちと仕事の話をしていても、「いるいる、うちにもそういう人!」という話になります。
もしかして今だったら何かしらの診断がついていたかもしれません。
そういうのって、1か0かといったような明確な線引きができないグレーゾーンを多く含んだ概念だそうです。
程度にもよりますし、仕事内容が適性に合っていれば問題とはならないことも多い。
もしかしたら私もそういう面を持っているかもしれません。
一つのことに没頭すると他がおろそかになるとか。
ここんとこ、忘れ物が多いとか。
実は私、昨日もスマホを家に忘れましたもん(今月2回目)。
周りが受け止めればいいだけの話
先ほどの熱中症の話の顛末ですが、素晴らしかったのは上司の対応です。
「ポカリスエットか、アクエリアス。
1.5リットルのペットボトルを1本。
常温じゃなくて、冷蔵庫の中で売ってるやつね」
「わかりました!」
と言って彼女はコンビニへ向かい、ちゃんと指示されたスポーツドリンクを買って帰ってきました。
彼女は具体的な指示を与えれば、迷うことなく遂行できるわけです。
細かく、誤解なきように、わかりやすく指示をする。
それが面倒なように見えて、実は一番手っ取り早い。
「察してよ」が通じない相手もいる
話が通じないからと言って、個人を責めるのではなく、そういうのも多様性の一つとして接していくことが大事かな、と。
外国人など異なるバックグラウンドを持つ人たちと一緒に働いていくことが増えていく時代です。
信心深くもない私のような日本人には理解できない、彼ら特有の慣習や宗教上の行動様式もあるでしょう。
私の仕事でも海外の方とやりとりをすることがありますが、国民性か本人の気質か、
細かいことを気にしない人、
何回も催促しないと取り掛からない人、
何の根回しも事前の説明もせずいきなり仕事を振ってくる人…
たくさんいます。
イラっとすることもあるけれど、世界は広いですね。
日本の常識は世界の非常識。
日本企業も「言わなくてもわかるでしょ」が通用しない環境にだんだんなっていくかもしれません。
いちいちイライラせず、面倒くさがらず、はっきりと分かりやすいコミュニケーションを心がける。
今後を生き抜くうえで、必要なスキルかもしれないと思った出来事でした。
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