保育園からの電話で子どもをお迎えに行ったら、全身にむくみが出て、ぐったりしていた息子(当時3歳)がいました。
病院で検査をして即入院となった前回までの経緯はこちら。
覚悟するしかない
入院から1週間たったところで、主治医の先生から、長男はこの先、慢性的な腎炎となる可能性もあること、場合によっては人工透析が必要になるかもしれないとの説明を受けた私。
この1週間、夫や実家の家族と交代で泊まり、仕事も持ち帰れるものは上司の許可をもらって病室に持ち込みチェック作業などしていました。
仕事もできるところまではやろう。
でも、子どもと仕事をはかりにかけたら、どちらが重いかは明白です。
入院当初は不安と長男への申し訳なさで泣いてばかりいた私ですが。
母親とは強いもので、たとえ慢性腎炎になっても、人工透析でずっと病院へ通うことになるのだとしても、自分がこの子を一生支える、と強く思ったのを覚えています。
もし腎臓移植でわが子が治るなら、私が喜んで差し出します。
仕事だってこの子の看病のために必要なら辞める、という覚悟が、すでにできていました。
診断確定「急性糸球体腎炎」
腎臓の動きを確認するため、造影剤を使った検査もありました。
3歳の子が、検査室の大きな機械に一人で乗ってじっとしていなくてはいけません。
不安そうなわが子。
検査技師の方に、隣にいてもいいと言われたので横で手をつないでいたのですが、検査が怖くてママーと抱っこを求めてきてしまいます。
終わるまで「気を付けピッ」だよ。
じょうずだね、かっこいいよ。
なんとかなだめてすかして終了しました。
入院後10日過ぎて症状が落ち着いてきてから、診断が確定しました。
溶連菌感染症後の急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)。
ここで初めて、1か月前に溶連菌に感染していたと知りました。
急性糸球体腎炎(急性腎炎)は、一般的に4歳~10歳くらいまでの子どもで、晩秋から寒冷期に多く発症する病気ですが、成人や高齢者でもときどき見られます。ほかの腎臓病と異なって、ほとんどの場合完全に治ります。(中略)
原因:溶血性連鎖球菌などの細菌による扁桃や皮膚の炎症などがきっかけです。
普段からもっと子どもの体の異変に気を付けて、細かく見ていたら、こんなつらい思いをさせずに済んだかもしれない。
本当に情けない話です。
先生の話では、症状も落ち着いて数値も改善してきており、あと数日で退院できるとのこと。
幸いなことに、予後は悪くない病気ということで、退院後は何回か尿検査に来てもらうことになるが、普段通りの生活に戻れるでしょう、とのこと。
結局、この時わが家の場合は、仕事を辞めずに済みました。
でも、こういう時。
子どもが病気になって、看病のために突然仕事を辞めなくてはいけない状況になりうるということを、これまで一度も考えたことがありませんでした。
今回は無事に退院することができたけど、これを当たり前だと思って生活するのは、もしかしたら危ないことなのでは?
子どもが元気で保育園に行ってくれている。
それで親も心置きなく仕事ができる。
それが、いかにありがたいことなのか。
実は薄い氷の上に、今の共働き生活が成り立っているんだということを、強く自覚させられた出来事でした。
その後、退院してから半年後ぐらいまで、検査のため通院がありましたが、問題なく。
おかげさまで、あれから7年。
以降は大きな病気もせず、現在はもりもりご飯を食べる小5男子です。
親が知識を持つことは子どもを守ること
わが家ではこの入院の原因となった、1か月前の溶連菌感染には気づくことができませんでした。
もっと普段から、子どもの体の異変について気を付けていれば、と悔やまれます。
たとえば足に発疹が出たとき。
たとえば靴が履けないほど足がむくんでいたとき。
その時検温していたら、少しは熱があったかもしれない(小さい子は高熱が出ないこともある)。
もしかしたら、のどが赤く腫れていたのかもしれない。
保育園で流行るような病気の知識をつけておくことは、決して無駄ではありません。
「もしかしたら、これって…?」という親の次の動きで、子どもの重篤な病気を防げるかもしれないからです。
それに、病院で医師から今日に至るまで気になる症状がなかったかを聞かれたときに、1か月前の発疹や1週間前のむくみがあったことを、もっと早く主治医に伝えられていたら、診断が出るまであんなにかからなかったかもしれない。
背中に針を刺して髄液をとるような、かわいそうな検査はしなくて済んだかもしれない。
小さなことでも、子どもの体調に異変があったら、メモしておくことが大事だと思いました。
溶連菌は薬を最後まで飲み切ること
さて、もし溶連菌と診断されたら。
溶連菌と診断されると抗生剤が処方されます。
溶連菌は細菌なのでウィルスと違って抗生剤が効きます。
薬を飲み始めたらたいてい、熱も早く下がり、子どもは元気を取り戻して普段通り遊び出します。
そこが危ない。
当然ですが、「治った」と思っても処方された抗生剤をしっかりと飲み切りましょう。
「おなか緩くなっちゃうから」とか、勝手な自己判断で飲ますのをやめてはいけません。
そして3週間とか1か月後に指示される尿検査も必ず受けて、値に異常がないことを確認してください。
脅すつもりはありませんが、本当に溶連菌はしっかり治しきらないと怖いです。
この7年前の長男の件がすっかり教訓となっているわが家では、ちょっとでも親の勘でそんな気配があると、かかりつけの先生に「溶連菌じゃないですかね」と言ってしまいます。
医者を差し置いて素人が判断するなと言われそうですが、これが意外と馬鹿にできない。
3月に次男が体調を崩した際、旦那が医者に連れて行ったときのこと。
熱はそこまで高くないけど、のどが痛いという。
なんか手足にも、うっすら発疹があるような…。
かかりつけ医は「いやー、溶連菌とは違うと思いますけどね」
旦那「すみませんけど、検査だけでもしてもらえませんか?」
と粘って、なんと結果は陽性でした。
かかりつけ医も、あらびっくり。
しっかり出された抗生剤を飲み切り尿検査もクリアしました。
旦那、グッジョブ。
普段から一番近くで子どもの様子を見ている親の勘は、けっこう侮れません。
これを見逃していたら、もしかして7年前のような入院騒動になっていたかもしれませんから。
こんなわが家がすったもんだした経験が、誰かの、何かの参考になったら幸いです。
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コメント
はじめてコメントさせて頂きます。
うちの娘は、小学校1年時に5回、2年生時にも5回溶連菌に罹患しました。
いつも行く小児科は熱が微熱でも喉が痛ければすぐ溶連菌の検査をしてくれますし、1ヶ月後の尿検察もしてくれます。土曜日の午後等、その小児科の診察時間外で他の小児科や耳鼻科に受診すると、私が訴えても検査してくれず、熱が下がらず結局かかりつけの小児科で検査し、溶連菌だった事もあります。
私は医療関係で働いてますが、同僚には、溶連菌なんてたいした事ないでしょと言われる事もありましたし、何でそんなに何回も罹患するのかと何回も言われました。ちゃんと手洗いうがいをさせて、抗生剤を飲みきっても駄目でした。しかし、3年生から今現在の4年生まで1度も罹患してません。
こちらの記事を読んで、改めて溶連菌の怖さを思い出しました。
くろみつさん、
コメントありがとうございます。
溶連菌は、一度かかったら大丈夫というものではないようですね。うちの次男も今年に入って2回かかっています。
全員がこのような合併症に苦しむわけではありませんが、このような事例もあるということで…。医療関係の方でもあまり知らないのかもしれないですね。
親としては、信頼できるかかりつけ医の指示をきちんと守ることと、普段から子どものちょっとした異変に気をつけておくぐらいですかね、できるのは。
この記事を読んだ方が、溶連菌という言葉に今後、ピーンときてくれるようになれば幸いです。そしてちゃんと治さないと怖いらしいという認識が広まってほしいな。
ぐったりした子ども、やっぱりかわいそうだからー!